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浜坂の家

敷地と周辺環境のコンテクストを読み解く

鳥取市中心市街地から北東へ車で10 分程に位置する,田畑や低層住宅が建ち並ぶ地域の一角が敷地である.
敷地は北側に畑,東側に民家,南と西側を前面道路に面した東西に長い角地である.日本海へ流れ込む千代川の
河口に近いことから,沿岸部からの強風が吹く場所でもある.
今回の新築工事に際し,敷地の半分を多様な植栽を持つ緑豊かな庭とすることから,全体のヴォリュームを東西
に長く配置し,南面に大きく開かれたファサード持つ建築となるように考えた.
海風に対峙するよう西側に長い勾配を取り,東側に2 階の諸室をまとめた深い軒を持つヘの字型の大屋根と南面
に連続した開口部を持つ2つのヴォリュームから建築の形態を決定した.
ガルバリウム鋼板からなる大屋根と外壁,モルタル塗りと杉板張りの外壁が,プロポーションに規律を与え,
テクスチャーの使い分けにより,表情豊かな建築となるようにしている.

内外を曖昧にするバッファーゾーン

南側に大きく抜けた開口部は,その先の緑豊かな庭とを結び,杉板張りの深い軒と桧のデッキがバッファーゾーン
として内外を連続させながら曖昧に繋いでいる.天井の高さに合わせた開口部は,廻りの枠を省くことで,より内
外との境界を曖昧にさせている.
各諸室は,2 層吹抜けのリビングを取り囲むように配置する構成とした.吹抜けにより圧倒的な開放感を持つ空間
は,各室と室を繋げ,行き止まり感をなくした住空間が拡がり,庭と対峙する大開口から光や風,音の気配が内外
に伸びやかな拡がりと繋がりを生み出す.

敷地の特性や周辺環境を丁寧に読み解くことで,内と外を繋ぐ建築へ結実し,豊かで多様な生活の様相を生み出す
建築となったのではないかと考えてる.

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